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「鍋の国で鍋をする」

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もうすぐ昼。

一行は、世界忍者国を後にして(ついでに、結城由羅藩王にさらっと紹介状書いてもらって)、鍋の国に来ていた。

由羅藩王のお陰で、堂々と犬ですと言っても警戒されないので(というか、猫はそんな事しないとも思うが)、大変気楽に観光している。

 

「鍋の国って、雰囲気がいいよね~」

と、雪奈。元々お気楽性格なので、気風が合うらしい。

「まぁ、活気があるけど、どこかのほほんとした空気はいいな」

雄介は、その辺で買ったお土産のお菓子をもぐもぐと食べている。曰く、「修行だ、他国のお菓子で勉強するんだ」らしいが、真偽のほどは定かではない。

「で、鍋の国について、君たちはどのくらい知識あるの?」

朝倉が、さっきまで見ていたパンフレットから顔を上げて聞いた。

「俺ですか?」

「うん、二人とも。って、あ、全然関係ないけど、雄介君、敬語抜いていいよ。雪奈ちゃんも」

「ん、了解」

「はーい」

「で、どのくらい?」

「んー…私はあんまり無いかな。旅をしていた時にも寄らなかったし。鍋が盛んな国なんだろうな、というくらい」

「俺も全然。鍋があるーってだけの認識が」

「………うん、いや、正解ではあるんだけどね…」

朝倉が、もう一度パンフレットに視線を落とす。

そこには、

『鍋の国は、南国にもかかわらず民族料理に鍋があり、鍋文化が盛んである』

という、何とも常識を無視した事が書かれていたりする。

この国暑い。北国人には、暑すぎなくらい暑い。でもって、こんな暑いのにマジで鍋か。

朝倉、軽く絶望していた。

しかし、まぁ、鍋が行事などのお祝い料理なら、まだ回避のしようはある。

今日は特別な日でも何でもないし、そういう場合なら大丈夫だ。

が、パンフレットには、

『祝い事、お祭り、景気付け、悲しい時、体調が悪いとき、健康の為、特別何もない時にこそ、鍋、といつもどこかで鍋がつつかれている』

なんて事が平然と書かれていたりするわけで。

ついでに、今日は、出仕のために(外見は変わらないけれど、内側をちょこっといじっている北国人用の厚い)吏族服を着ていたりするわけで。

つまり、隣で歩いている半袖の二人よりも、かなり暑いわけで。

朝倉は、周りに立ち並ぶ鍋屋さんを見て、今日何度目かになる軽めの絶望を覚えていた。遠からず、鍋に出会う事は間違い無さそうである。

と、考え事(?)をしていたその時。

「おわっ!?」

「きゃっ」

朝倉は、何かにつまずいて、盛大にすっ転んだ。

顔面が地面とキスをする。

……まぁ、のめりこんだ、と表現した方が正しいとは思うが。

「…朝倉さん、大丈夫?」

「うわぁ…痛そうだな…」

「いててて…」

顔を上げると、雪奈、雄介……と、女性が頭を痛そうにさすりながら、涙目でこっちを見ていた。

どうやら、さっき朝倉がつまずいたのは、この人らしい。というか、頭を蹴り飛ばしてしまったようだ。

「………すいません、考えごとしてたもので」

と、とりあえず謝ると、

「あ、いえ、こちらもちょっと絵に集中していましたから」

女性は、軽く笑顔を見せた。

「他国の方ですか?」

「ええ、はい」

そう聞くと女性は、少し考えて、言いにくそうに口を開いた。

「…えーと、では、私の家でも…行きましょうか」

「………は?」

突然、何を言っているんだろうか。

朝倉が雄介と雪奈に助けを求めようとすると、二人はちょっと離れて、気まずそうな顔をしている。

「………あの、服が、ですね…」

女性が、これまた言いにくそうに言葉を続ける。

「服、ですか?」

言われて、自分の服を見てみると、恐ろしい惨劇―――――――カラフルな絵の具が、出仕用の吏族服にぶちまけられている。

「洗濯しないと、まずいですよね?」

ちなみに、宿は遠い。しかも、洗濯は定時に女将さんがまとめてやる事になっている宿である。

「…………頼みます」

何か世界忍者国でも同じようなパターンだったなぁ…とか思いつつ、女性の後についていくのであった。

 

 

 

 

女性――いわずみ子と言うらしい――の家に上がりこんだ3人だったが、そこで意気投合。洗濯が終わって服が乾くまで、ちょいとお邪魔する事になり、さらに同じ鍋の国民であるつづみまで呼んで鍋を囲む事になった。

「すいません、お邪魔させて頂いた上に、お昼まで」

「いえいえ、いいですよ。他国のお客さんですし」

いわずみ子、良い人である。

お昼は鍋だが、吏族服を脱いでいる上に、家の中は涼しくかなり快適なので、朝倉は心底救われたと神に感謝していた。

「あれー、いわずみ子さん、お肉ないの?」

鍋の国の姉貴、つづみが冷蔵庫の中を見て言う。

「え、ないかな」

「ない。私が買ってこようか?」

「えーと、じゃあ、お願いするね」

「はい。じゃ、早速行って来るから、えーと、私と一緒に買い物行く人ー」

「はーい」

と、手を挙げたのは、雪奈と

「んじゃ、俺も行くわ」

雄介。

というわけで、三人は買い物へ。

「じゃ、鍋の準備してて」

「分かったー」

ということで、反対に、二人は家に残される事に。

三人が出て行って、扉が………閉まる。

「……………」

「……………」

向かい合わせに座って、会話が無い二人。

さっき出会ったばかり、しかも他国の人、さらに男女。

((……き、気まずい…))

気まずかった。

「えーと…いわずみさん、さっき絵を見せてもらったんですが…」

「は、はい」

「何と言うか、やわらかい絵で、素敵でした」

「ありがとうございます」

「上手いですよね」

「い、いえ、それほどでは」

「……………」

「……………」

((……き、気まずい…))

「ほ、ほら! そこに飾ってある、『ゴロネコさん宅鍋』って書いてあるやつとか、綺麗ですよ!」

「え、あ、どうも」

04/24日と05/01日に描いたとメモしているヤガミとかもほわわーんと」

「ほわわーん…ですか?」

「………えっと…ほら、ほわわーん……と……なってません?」

「…ちょっと良く分からないですけど…」

「……………」

「……………」

((……き、気まずい…))

 

―その頃三人は―

つづみに案内され、店に来ていた三人。

「ほら、これが鍋の国のお店」

……壮観である。

何がと言われれば、

「何この鍋具材のレパートリー……」

練り製品から鍋用肉まで、揃いに揃っている。

雄介、唖然とするあばかりだった。

「鍋の国はね、鍋命だから」

((でもさすがにコレは無いよ…))

え~藩国の二人、異国の厳しさを知る。

「あの……えっと、普通の果物とか、そういうのはどこに…」

雪奈が気圧されそうになりながら言った。

「あ、ここは鍋具材専門店だから、普通の買い物はまた別のところでね」

((鍋具材専門店なんて反則…))

え~藩国の二人、異国の反則技を知った。

 

―家で待機組みは―

「……鍋、作りましょうか、いわずみ子さん」

「……そうですね」

要するに、ネタ切れしていた。

「よいしょっと」

いわずみ子が、大きめの土鍋を持ってくる。

「おお、本場の鍋を間近で見れるとはー」

「はい、では、まず鍋を用意」

「うんうん」

「次に、高級昆布でだしをとります」

昆布を次々と投入。

何か入れすぎな気がしないでもないが、多分本場はこういうものなのだろう。

「で、一度火をつけてぐつぐつと……」

「おお」

何という手際のよさ。

朝倉、やっぱ本場は違うなぁと本気で関心する。

―――それから、待つこと20分が経った。

「あの…いわずみ子さん、さっきから何も進展していない気がするんですが…やっぱり、じっくりと出汁をとるものなんですよね?」

いわずみ子が目を逸らす。

「…………え?」

「………私、ですね」

「はい」

「……………料理できないんですよ」

――――ぽかん。

一瞬、事態が飲み込めなかった。

「え、さっきまでのは?」

「見よう見まねです」

「これからは?」

「分からないから手が止まってます」

「……………」

沈黙。

「ど、どうするんですか」

「朝倉さん、どうにかしてください」

「…………」

朝倉、目を逸らす。

「…………え?」

「……実は、僕、料理できないんですよね」

朝倉、人の事を言える立場ではなかった。

というかもう、何かこの人達ぐだぐだである。

「…どうしましょう」

「どうしましょう、じゃないですよ。皆帰ってきたらお腹空いてますよ、絶対」

「ですよね…」

「僕達で鍋のベースを…作る…しか…」

「…です…よね…」

 

―そこ頃三人は―

「重いよこれ…」

鍋具材一式を買い、(主に雄介に持たせて)帰ってきていた。

「ほら、しゃきっとして」

買い物袋を一つ雄介から取ってあげるというさりげない優しさ見せるつづみ。

「…やっぱ、うちの彼女とは違うわ…」

「何か言った!?」

「…つづみさんを見習え…つか一つでも持て…」

「まぁまぁ、雄介君、もう家に着いたんだし。もうすぐお鍋だよ」

「うぅ…つづみさん…お姉さんだなぁ…」

「で、雪奈ちゃんは、もう少し優しく、ね?」

「……はい」

「よしよし。いわずみ子さん、帰ったよー」

と言って、家に入ると…

「ちょ、さすがにこれヤバイですって! これ怒られますよ! 僕知りませんよ!?」

「しょうがないじゃないですか! 捨てるわけにもいきません!」

と、そんな声が聞こえてきて。

 
 

素人以下の二人が作った、鍋のベース……というより、見るに耐えないゲテモノを、つづみ以下三人が見るのは、10秒後の事である。


/*/

 

※つづみさん、いわずみさん、キャラを鍋の国のSSで把握しようと思ってたんですが、把握できるほど資料が揃わなかったので、割と(というかかなり)贋造されたPCになってます(贋造率200%くらい(マテ))。大変申し訳ありません。さらに言うと、勝手に設定付与しちゃってます(特に鍋関係とか)。ごめんなさい。

※いわずみ子さんの絵、いいよねいいよね!(何(趣味です(ぉ

※つづみさんはお姉さん系らしい(そうなのかは知らないですが)ので、とりあえずお姉さん系にしてみました。……ごめんなさい…。

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