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「ながみ藩国で戯れる」



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「その童顔でどれだけの人を騙してきたんだ、このショタ軍師っ!」

「う、うわーん!」

「お前もだろ幼女摂政」

「うわぁーん」

「……幼稚園みたいだ…」

 

にゃんにゃん共和国、ながみ藩国。

「みんなしゃーわせ、へいわにいきましょー」を理念に掲げ、農業で生計を立てる国である。

何でもかんでも自給自足。とりあえず、美人で可愛い嫁さんも自家発電。

というわけで、PC同士の結婚がふっつーに成立する藩国だったりする。今度は摂政が結婚するとか何とか。

今回は、そんな、ながみ藩国に滞在していた。

雪奈と雄介は、現在藩王様と姫様の所へ、色々お話を聞きに行っている。まぁ、彼らも付き合い始めて大分経っているからか、結婚には興味があるようだ。

 

で。当の朝倉さんはと言うと。

藩城の庭園。

朝倉の目の前には、ふりふりひらひらの服を着た比嘉劉輝(可憐な少女の風貌)と、同じくふりふりひらひらを着た木曽池春海(可愛い少女の風貌)、それを着せて嬉しそうにしている壊和城夜(カッコいい男の風貌)がいた。(※下のは春海さん(左)と城夜さん(右))

89fec944.jpg

「こんなの、いーやーだー」

「どう?どう?可愛い?」

着せられている二人は、正反対の反応を示している。

嫌そうな反応をしている方が劉輝で、嬉しそうにくるくる回っているのが春海。

「どうですか?」

と、城夜に問われて、朝倉は、

「ま、まぁ、二人とも可愛いからいいんじゃないんですかね」

何とコメントすれば良いか困って、苦笑いしつつ言ってしまった。

「な……!」

顔を真っ赤にする劉輝。

隣で、春海と城夜がくふふ、と笑っている。

「うんうん、可愛いよね、劉輝“ちゃん”」

春海が、痛恨の一撃を投下した。

「…ん? 可愛いと思う…けど?」

「うわーん!」

「え? え?」

脱兎の如く、庭を飛び出す劉輝。

夕日に向かって走っていく姿は、ふりふりなので、可哀想だが栄えないのが事実。

「酷いや!皆してひど――あうっ」

そして、こけた。

『…………萌え?』

声を揃えて言う三人。

「うわーん!」

劉輝は、夕日に向かって走り去っていった。

 

「……あのー…僕、地雷踏みました?」

おずおずと、城夜に聞いてみる。

「ああ……実はね、彼は男だから」

「えええええっ!?」

「まぁ…色々着せられてはいるけど…」

「確かにボーイッシュな感じではあったけど…って、もしや、春海さんも男!?」

びっくりしつつ、春海の方を見る。

「違いますから」

そう言って、殴られた。

まぁ確かに、

こんな感じで

dc9830ce.jpg

こんな感じの

9900b608.jpg

女の子には、失礼千万な話である。

「ちなみに、僕は女ね」

と、城夜。

「……いや、さっきから普通に男と思ってましたけども」

「あれ、こんな格好だから分かんなかったか」

「……だ、騙してるんじゃないですよね」

「違う違う」

城夜は、軽く手を振って苦笑する。

「ほんとに、女だから。少なくとも、この幼女よりは女として成り立ってると思う」

「な、なにー!」

となりで春海が吠えているが、それは気にしない事にして、なるほど確かに顔立ち良いしなぁ…とか思う朝倉。まぁ、明らかに服は男物だが。

「えーと、では何故男物を?」

「さあ? なんででしょう?」

「…えーと?」

「確かな事は、二人にふりふりを着せるのは僕の趣味♪」

「…………」

朝倉、一瞬、ここにいると色々やばいのではないかと思う。

何と言うか、近づいてはいけない人が目の前にいる気がした。

「ちなみにちなみに、私、奇眼藩国の摂政」

と、幼女が横から言ってきて。

「………あのね、春海ちゃん、お兄さん、全部信じると思ったら大間違い痛たたたたっ」

足を、かかとで踏みつけられ、悶絶した。

「少し小さいからって馬鹿にしないでよ!」

(…………少し?)

「何か言った!?」

「いえ、何も…そ、それより、劉輝さん帰ってきませんね」

 

と、言った、その時。

 

「劉輝の知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの、覆面軍師参上!」

そう言って突然現れた、自称覆面軍師、風貌を紹介しよう。

身長、14歳くらい。

体格、14歳くらい。

服装、ひらひらふりふり。

まぁぶっちゃけた話、顔が見えないだけであって、完全にばればれというか、比嘉劉輝その人であった。

 

「フォースの暗黒面の力を教えてやる……」

すごむ覆面軍師。

 

「ていうか、すいません、ながみ藩国ではこういう戦隊モノでも流行っているんですか?」←朝倉

「いや、僕の知る限りではこの人だけ」←城夜

「きちゃんふりふり可愛いー」←春海

 

「き、聞け!フォースの暗黒面が…」

 

「覆面っていうか、もうバレバレですけども…」←朝倉

「毎回そんな感じだから」←城夜

「ふりふりがちょっと汚れちゃってるけど可愛いよー」←晴海

 

「チ、チガイマスヨ。ボクハ ヒガクンノ イトコデスヨ」

 

「いとこって……すごい苦しい言い訳」←朝倉

「確かに、類を見ないほど苦しいね」←城夜

「またそこが可愛いってことで」←春海

 

なんとも非道なリアクションを返す三人に、

「くそう、服を着替えてる時間がなかったんだよ!覆面を探すのに精一杯でっ!」

と、ついに膝をついて崩れ落ちた。

そして、それをそっと抱きしめる城夜。

「よしよし。皆で遊ぼうか」

と、頭を撫でつつ優しく言う。

「………うん。ちょっとだけなら遊んでやる」

覆面をとって、涙目で答える劉輝。

「よし、何しようかな。鬼ごっこ?かくれんぼ?」

朝倉は、何かもう色々突っ込みたかったが、突っ込む気力が失せて呆然としていた。

「朝倉さん、何がしたい?」

「えーと、じゃあ…缶蹴り、で…」

「じゃ、缶蹴りやろうか」

『おー!』

 

ちなみに、その数分後、軍師劉輝は圧倒的な強さで勝利。

さらにその数十分後、怒った春海が城夜をけしかけ、ふりふり着せ替え遊び(勿論人形は使わず、モデルは春海と劉輝である)を始め……と、以下同じ事が繰り返されるのだが、まぁそれは長くなるので省略するとして。

 

「おう、雪奈、雄介。藩王と姫様の二人はどうだった?」

「いやもう、らぶらぶでさー」

「私も早くウエディングドレス着たいなぁ…」

 

ごめん、SSぶち壊して申し訳ないんだけど、作者的に言うと。

ながみ藩国に来た結論:「僕も結婚したいです、はい」

 

/*/

 

※今回も、皆さんのPCの贋作率は軒並み高いです。特に、比嘉劉輝さんは贋作率200%ですごめんなさいごめんなさいごめんなさい…。

※ながみ藩国はチャットが居心地良すぎて反則だと思いますいえーい。

※挿絵を城夜様に頂きました。ありがとうございます!

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